2023年2月の展示会で発表し大反響を受け、同年4月に発売された「わさびガーリック」。
SA、PA、道の駅などで販売されているこのアウトドア向けスパイス調味料は、様々なシーンで活躍すること請け合いです。
主役は名前のとおり、爽やかなわさびと、香ばしく風味の強いガーリック。
一見、正反対の性格を持つように思えるこの2つがどうやって結びついたのか。そこには長年にわたる誕生秘話がありました。
あのときの商品が蘇る……10年越しの出会い
話は10年前に遡ります。
当時、訪日外国人観光客が増加し、国内消費での存在感を増してきました。
長年、観光地でお土産品を販売してきたカメヤ食品は、自社の主力商品であるわさびを外国の方にも身近に使っていただけるよう、わさびに塩や胡椒・山椒などをブレンドした「わさびスパイス」を開発、販売しました。
しかし、残念ながら販売は奮わず、生産を縮小せざるを得ませんでした。
そして時は流れ、2022年4月。
亀谷社長が、いつものように美味しいものを求め全国の仕入先を回っているときのことでした。
ある市場で、人気のアウトドア向けスパイスに目を止めます。
食塩とガーリックを中心に、複数のスパイスをブレンドしたその商品を見て、亀谷社長が思い出したのがあの「わさびスパイス」でした。
販売は奮わなかったけれど、わさびと塩・胡椒、山椒などのスパイスを合わせたときの美味しさは分かっている。
また、現在販売中の「わさび塩」という商品は、官公庁のトラディショナル部門の金賞を受賞し、お客様からもご好評いただいている。
ならば、ここにガーリックを加えるのはどうだろう?
わさびとガーリック!? 意外な相性
一つの懸念は、わさびとガーリックの相性。
意外にも成分としては似通ったところがありますが、問題は味です。
実際に皆の舌で確認しようと、試作品としてガーリックの入ったもの、入っていないものを用意し、社内で試食会を開いたところ、違いは歴然。圧倒的にガーリック入りが支持を集めたのです。
これならば、あの「わさびスパイス」の苦い思い出を乗り越え、魅力的な商品をつくることができると確信し、本格的に「わさびガーリック」の開発が始まりました。
指令が下りたのは、カメヤ商品開発部の中西さん。亀谷社長も信頼を寄せるベテランの管理栄養士です。
これが、中西さんの長い戦いの始まりでした。
25種類もの素材のバランスを取るために、重ねる試行錯誤
まずは、わさびとガーリック、各種スパイスを調合し、味のベースをつくること。
そこに、カメヤ食品が長年大切にしている、地元の食材である下田のニューサマーオレンジや伊東のレモン、静岡県産みかん、そして自社農園の柚子を入れることが決まりました。
使用する素材は、実に25種類にも及びます。それだけの素材のバランスを取ることは、熟練の中西さんをしても苦難の道のりでした。
わさびパウダーのほんのりとした、それでいてツンとくる辛さ、ガーリックの香ばしい旨味、柑橘の甘さと爽やかさ、各種スパイスの複雑な風味……。
半年以上にわたる試行錯誤を経て、これらのバランスが繊細に組み上がった「わさびガーリック」が完成しました。
アウトドアにも普段の食卓にも。素材を引き立てる名脇役
完成したこの商品の魅力は、何と言っても25種類の食材が織りなす“深い旨味”です。
肉はもちろん、淡白な魚にも深い旨味を加え、主役のポテンシャルを存分に引き出す、名脇役が誕生しました。
アウトドア向けに開発された商品ではありますが、もちろん普段の料理にもぜひ使っていただきたい一品です。
中西さんのおすすめはカルパッチョ。魚やタコ、野菜の繊細な味を損なわず、至福の味に仕上げる最高の調味料です。
他にも、焼きそばのスパイスの代わりや炒め物の仕上げなど、いつもの料理を簡単に格上げすることができます。
大切な家族や仲間との思い出づくりに
伊豆はキャンプにアウトドアと、さまざまなアクティビティを楽しめる自然の宝庫です。
わさびガーリックも「アウトドアを楽しんでほしい」という願いを込め、華やかなパッケージにしました。
伊豆に遊びに来た際はぜひ、わさびガーリックの小瓶をお供に、たくさんの楽しい思い出をお持ち帰りください。
筆者:堀
※オリジナルレシピ「金目鯛のアクアパッツァ 」はこちら。