「夏の朝めろんの露を享けにけり」
この句は、カメヤの地元である静岡県東部出身の詩人である入江亮太郎が、療養中に詠んだとされる一句です。まだ涼しい夏の朝、メロンの雫を口に受け、渇きを癒す様子が目に浮かびます。そう、メロンは夏の季語なのです。
夏といえば、胡瓜やスイカなどのウリ科の果菜類の旬であり、メロンがとても美味しい季節。そこで今回は、この時期にカメヤが自信をもっておススメする逸品「メロン浅漬」をご紹介します。
「メロン浅漬」の中身は、高級マスクメロン⁉
皆さんは「メロン浅漬」の素材が、あのクラウンメロンなどで有名な、静岡県産のマスクメロンの子瓜であることはご存じでしょうか。
実はマスクメロンの栽培では、大玉のメロンを育てるために、まだ鶏卵程度の大きさの小メロンの時期に形の良い果実だけを残して後は収穫してしまうのです。この時に収穫された小メロンを“摘果メロン” と呼ぶのですが、この“摘果メロン”こそ「メロン浅漬」に使われる素材なのです。
ですからカメヤの「メロン浅漬」は、一袋に高級マスクメロンの子瓜が何個も入っている贅沢な逸品なのです。
生産量日本一。静岡県産の小メロン
静岡県産の高級マスクメロンの品種名はアールスフェボリットと云い、一般的にはアールスメロンとも呼ばれています。きれいな網目が掛かっており、魅惑的な芳香と甘美なのど越しは、温室で丁寧に育てた証。生産量はダントツの全国一位です。
静岡県の中でも西部地域は特にメロン栽培が盛んで、長年受け継がれてきた栽培ノウハウと品質管理、温暖な気候と肥沃な土地という環境により、美味しいメロンの名産地です。
静岡でのメロン作りは、種まきから収穫までを約100日間かけてハウス(温室内)でおこなうため、年間を通して新鮮なメロンを出荷することができますが、マスクメロンの旬は5月~7月なため、小メロンの収穫期はその前の4月~6月になります。最盛期は6月で、年末にかけてだんだん出荷量は減っていきます。
漬物の量り売りから始まったカメヤの「メロン浅漬」
カメヤがメロンの浅漬を作り始めたきっかけは、直営店での漬物の量り売りでした。
当時カメヤの直営店では、漬物を店頭で量り売りしていました。メロンの浅漬けはカメヤではまだ作っていなかったため、他社から仕入れていましたが、かなり売れるので「地元の名産品でもあるメロンを使った漬物を自社でも作ってはどうか」と社内からも要望が上がるようになりました。
折しも、とある青果店さんとのご縁で小メロンを安定して仕入れることができることがわかり、この商品を作り始めました。
カメヤで仕入れている小メロンは、静岡県の西部地域に位置する掛川市の契約農家さんが栽培しているマスクメロンの子瓜です。因みにマスクメロンのマスクとは、musk(ムスク)のことを指し、麝香(じゃこう)のような強い芳香を放つことを意味するそうです。
(私はてっきり見た目が網状のマスクだから、そう呼ぶのかと思っていました…笑)
掛川市で採れる小メロンは普通の小メロンに比べて皮が柔らかいのが特徴で、フルーティーでクセがなく、食感はカリっとしていて、それでいて瑞々しい果肉という、“いいとこどり”のバランスが魅力です。
旨さの秘訣は手間ひまにあり。一つ一つに合わせて漬け込む。
メロンは契約農家から仕入れた新鮮なものを、まず本社工場へと運びます。そこでメロンの状態を手に取って確認し、少しでも傷があるものは省き、洗浄やカットを手作業で行います。小メロンは個体差が激しい素材なので、ひとつひとつ選別してからカット作業を行います。
製品の加工に使用している水は、富士山の湧き水で有名な日本三大清流のひとつ「柿田川湧水群」から取水したもので、清らかでミネラル豊富な湧き水が、上等なメロンの素材と相まって、美味しいお漬物づくりに生かされています。
その後、塩漬け・塩抜きをしてから浅漬けの調味液に漬けます。この調味液はカメヤの現会長が考案した直伝レシピをもとに、素材の豊かな風味を引き出す味付けがなされています。
メロンを調味液に漬け込む際もカット作業と同様に、大ぶりのものと小ぶりのものを分けて漬け込み、味の染み込み具合を調整し、ひと手間かけることで味の統一を図っています。
新鮮な素材においしい水。地元素材をまるごと漬け込んだ「メロン浅漬」。
「メロン浅漬」の魅力は何といっても“歯応え”のよさ。
みずみずしくカリっとした食感を損なわないよう“いい塩梅”で調味液に漬けこんでいます。
その結果、素材本来の甘みが感じられ、あっさりとクセがなく上品な塩味に仕上がりました。
お好みの大きさにカットして、お召し上がりください。
白ご飯との相性も抜群。お米の旨さを引き出す絶妙な味わいです。
お茶漬けや素麺のおかずにも最適ですし、お茶請けや日本酒の肴にもうってつけです。
夏に恋しい「メロン浅漬け」。
暑くなるこれからの季節に、ぜひお試しいただきたい逸品です。