鮮やかなだいだい色が目印の「箱根西麓 にんじんドレッシング」。
富士箱根の美味しい食材をより多くの方に味わっていただけるよう、ブランド野菜である三島人参を100%使用したこだわりのドレッシングです。
今回は「にんじんドレッシング」の開発秘話をご紹介します。
きっかけは富士山の世界遺産登録。地元の魅力を広めるために
2013年6月、日本一の霊峰・富士山が「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」として世界遺産に登録されました。
太古の昔から人々にさまざまな恵みをもたらし、日本人の精神と切り離せない存在として敬愛されてきた富士山。そのお膝元でわさびと漬物づくりを営むカメヤも、創業当時より数えきれないほどの恩恵を受けてきました。
富士山が世界遺産に登録されたことで、国内外から訪れる観光客は大きく増加。地元の食材にも注目が集まり、世界中に美味しさをアピールするチャンスが到来しました。
このとき亀谷社長が思いついたのが、箱根のにんじんでドレッシングをつくることです。
箱根で採れたにんじんの美味しさ……自信を持っておすすめできる
箱根山の西に広がる標高50m以上の高原では、ブランド野菜「箱根西麓三島野菜」の栽培が行われています。
富士山の噴火が水はけのよい火山灰を降らし、地域の人々が改良を積み重ねたことで、野菜がのびのびと育つ豊かな土壌ができあがりました。
日照条件や風通しのよさにも恵まれ、ていねいな野菜づくりが長きに渡って営まれてきた素晴らしい土地です。
「にんじんドレッシング」に使用している三島人参も、箱根西麓三島野菜のひとつ。以前からカメヤでも福神漬などに使用していたお馴染みのにんじんです。
まぶしいほどの赤色は豊富なカロテン(カロチン)を含むしるし。国内でもトップクラスの糖度を誇り、生でかじっても感じられるほどの甘味を蓄えています。
「三島人参の美味しさを活かしたドレッシングなら、間違いなく人気になる」
そんな確信を抱き、亀谷社長は「にんじんドレッシング」の商品化に挑みました。
意外なところで役立った漬物屋のノウハウ。素材の味を保つ秘訣
もともと地元の契約農家や青果市場と取引していたご縁で、三島人参も信頼のおける農家さんに安定した仕入れをお願いすることができました。
およそ20トンものにんじんを倉庫に運び込み、さっそく製造に取り掛かった「にんじんドレッシング」。きっと素晴らしいものをつくれるはず……そう考えていたものの、商品開発は思いのほか難航します。 にんじんはアクが強い上に傷みやすく、まさに“足が早い”野菜。わさびや大根と比べると、工場での取り扱いが大変な食材でした。
他社の商品を研究してみると、にんじんを製造過程で加熱殺菌していることがほとんど。しかしそれでは、色味の鮮やかさや風味が損なわれてしまいます。
諦めずにさまざまな方法を試していると、ヒントは身近なところから見つかりました。
それは、カメヤが長年培ってきた漬物づくりの技術です。
元来、お漬物は保存食として考案されたもの。その中でもお酢の殺菌作用で保存性を高めた“甘酢漬け”なら、にんじんの風味を消さずに加工できるのでは?
そう考えてにんじんを甘酢漬けにしてみたところ、色合いや風味を保ったまま保存性をグンと高めることができたのです。先人の知恵の偉大さに、心から感服した瞬間でした。
キラリと光る素材の魅力!たっぷりの三島人参をご堪能あれ
「にんじんドレッシング」の魅力はなんと言っても「にんじん密度」の高さ。計算するとその量は、なんとボトル1本あたり立派な三島人参1本から1本半にもなります!
すりおろしたにんじんをスタッフが微妙な力加減でぎゅっと絞り、もう一度すりおろして舌触り滑らかなペースト状にして、ボトルに詰め込みました。
しかも、着色料を一切使っていないのもポイント。殺菌処理をする際に加熱ではなくスチームで滅菌するため、素材由来のだいだい色がとても鮮やかです。
市販のにんじんドレッシングはオイル仕立てでまろやかな風味のものが主流ですが、カメヤの「にんじんドレッシング」はひと味違います。
甘酢漬けの酸味とにんじん本来のほのかな甘さをベースに、さわやかなビネガー仕立てにしているのがカメヤの「にんじんドレッシング」。すりおろしの質感とも合わさって、フレッシュな味わいを楽しめます。
さっぱりした風味のドレッシングがお好きな方には、ぜひお試しいただきたい逸品です。