日本三大清流というのをご存じでしょうか?高知県の四万十川、岐阜県の長良川、そして三つ目が静岡県の柿田川です。この柿田川の清流で上等な大豆を仕込み、豆腐マイスターが手間ひま掛けてつくった豆腐が、カメヤの「柿田川百年水豆腐」なのです。
今回は、このカメヤの隠れた名品「柿田川百年水豆腐」をご紹介いたします。
百年の歳月をかけて富士山から届いた、美味しい天然水
「柿田川百年水豆腐」をご紹介するにあたり、まずは商品名にある柿田川百年水とは何か、その背景からお話ししたいと思います。
カメヤ発祥の地であり、本社がある清水町の町名は「清らかな水」に由来しており、その源泉が柿田川湧水群です。柿田川の湧水は、富士山の雪解け水が地下に浸透し、百年の時を経て湧き出たもので、その水量は一日なんと70~100トンと、東洋一の湧き水とも云われています。
柿田川は、環境省選定の名水百選の一つであり、とても美麗な湧水群として有名です。
全国から多くの観光客が訪れる名所でもあり、国の天然記念物にも選ばれました。
6月には柿田川公園内に蛍が飛び交い、その光景は筆舌に尽くしがたいほどの美しさで、初めて見た筆者にとっては夢心地の体験でした。またゲンジボタルのみならず、清流にしか生息しないといわれるミシマバイカモやアイハダトンボ、鮎やカワセミなども多く見られ、水はとても清らかに澄んでいます。
カメヤはこの美しい柿田川の湧水を活かし、訪れる人々にこの素晴らしい光景を楽しんでいただきたいとの思いから、「柿田川湧水の道」という複合型の休憩所を整備しました。
平成28年7月にオープンしたこの施設には、カメヤの定番商品や地元の土産物を販売する「みやげ館」、豆腐商品を販売する「豆腐館」、柿田川豆腐を使用したスイーツを販売する「スウィーツ館」、柿田川豆腐を使用した料理を提供するお食事処「カワセミ本館」が併設されています。
柿田川湧水とこだわりの大豆でつくる豆腐
カメヤは「柿田川湧水の道」を整備するにあたり、この土地の名産品として、柿田川の湧水の魅力を最大限に生かした商品をつくりたいと考えました。
熟考の末、それは「最高の水で仕込んだ最高の豆腐」だと思い至りました。
そこで、最高の豆腐にするため素材を厳選し、美味しい豆腐をつくる職人を養成しました。
大豆
宮城県産の高級大豆「ミヤギシロメ」を使用しています。名前の通り、大豆の目(ヘソ)が白いことからその名が付きました。
味・風味・見た目の三拍子が揃った最優良品種の国産大粒大豆であり、高級な豆腐や味噌、納豆の原料としても使われる、貴重な素材です。
水
製品の加工に使用している水は、もちろん、柿田川遊水池から取水したものです。
清らかで雑味がなく、口当たりはやわらか、ミネラルが豊富なのも特徴です。
職人
豆腐づくりにおいて、素材と並んで重要なことは、美味しい豆腐をつくる熟練技です。
カメヤでは、豆腐づくりの業界資格である「豆腐マイスター」を養成し、それを取得した職人の指導のもと、日々豆腐づくりに励んでいます。
おいしい豆腐ができるまで
カメヤの「柿田川湧水の道」にある工房では、絹豆腐、木綿豆腐、豆乳などの豆腐関連商品を製造しています。
手順としては、まずは絹豆腐をつくる過程で豆乳とおからができ、できあがった絹豆腐から木綿豆腐をつくります。
それでは豆腐製品の製造過程を、詳しく見ていきましょう。
まずは基本である絹豆腐を作ります。最初にやることは、大豆を水に漬けて寝かせる作業です。この寝かせる作業は、季節によって水温が変化するため、適切な寝かせ具合にすることがとても重要です。豆を割ったときに、豆の真ん中が窪んでいても膨らみすぎていてもいけません。そこを見極めながら漬け込む時間を微妙に調整します。
寝かせた大豆は、石臼ですり潰し、攪拌し、煮沸します。
この工程によって工場内には、しぼりたての豆乳のフレッシュでミルキーな香りが広がります。
煮沸した大豆はその後おからと豆乳に分離し、豆乳の濃度を計測します。
豆乳の濃度によってつくる豆腐の硬さが変わってしまうので、必ず濃度の確認をします。
適切な濃度の豆乳を専用のバットに入れ、「にがり」を加えて休ませます。
次第に豆乳が固まり絹豆腐ができあがります。それを崩れないように丁寧に水をかけながらバットの中で切り分けます。
その後、切り終えた絹豆腐を水中で冷まします。この作業の時も柿田川の湧水を使用します。
木綿豆腐をつくるときは、できあがった絹豆腐を一度細かく崩し、上から圧力をかけて圧縮し、水分を切ります。
その後冷やした豆腐を崩さないよう細心の注意を払って丁寧にパックに入れ、パックからはみ出た部分は包丁でそぎ落とします。
パック詰めした豆腐は、上から湧水をかけながらフィルムを貼ります。この際、異物が混入していないか目視で確認し、水漏れがないかもチェックします。最後にパックごと煮沸消毒して完成です。
豆腐ができるまでには、ここには書ききれないほどの細かい工程を経て、やっと美味しい豆腐が完成するのです。
大豆のあまさを最大限に引き出した”こだわりの豆腐”
こうしてたくさんの手間暇をかけて出来上がった「柿田川百年豆腐」。
雪のように白く美しく、見た目も艶やか。
口に含めば舌触りはなめらかで、大豆特有のミルキーさとフレッシュさが感じられ、甘さが広がります。
そのまま食べるのが一番美味しいのですが、お塩をかけて食べると豆腐の甘さがさらに引き立ちます。
調理する場合、ツルっとした舌触りの絹豆腐は、冷ややっこや湯豆腐、麻婆豆腐に最適です。
木綿豆腐は賽の目に切って田楽にしたり、豆腐ステーキにして食べるのがおススメです。
味が染みた木綿豆腐料理は、秋の夜長に食べたい一品です。
いかがでしたでしょうか。
カメヤが丹精込めて作った、こだわりの逸品「柿田川百年豆腐」。
オンラインショップでも販売しておりますので、是非ご賞味ください。
また、静岡県清水町にお越しの際は、「柿田川湧水の道」にもお立ち寄りください。
美味しい豆腐料理をご用意してお待ちしております。
湧水の道 http://www.kakitagawa.net/app-def/S-102/kameya/
筆者:わび